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夢見ていたスウェーデンでの生活がついに始まりました
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真面目な話が続きましたが
それも夏休みで時間があるから。
そして今年の夏の旅行はギリシャ!

今年はあまり晴れの日が続かず
気温20度前後で、海に入っても寒くて
5分以上はいられないスウェーデンから
予報40度前後の真夏のギリシャへ行ってきます。
無事に帰ってこれますように。。。

ということで、1930年代の建築、都市計画が
Folkhemmetの政策に影響を受けたというのが
つまりはどういうことかと言うと・・・

■■■

この時期は仕事を求めて人が集まり
都心部では住宅不足が問題になってました。
これはとりわけ地方から出稼ぎに来た
賃金の安い労働階級の人々にとって深刻で、
既存の高価な住宅を手に入れる事はほぼ不可能。
そのような中、平等主義の考え方に基づいて
労働階級の人々にもアパートが手に入れられるように
ということが一つの大きな目標とされたようです。

それと同時に、現存する住環境の老朽化、
非衛生的、狭くて暗いという問題点も上がってきており、
住宅、さらにはデザインにおいても機能的であり、
衛生的であることが重要視されるようになりました。
つまり、どの部屋にも十分な日光が入るように
建物間の距離が考慮されるようになったり、
窓の位置や空調による新鮮な空気を
取り入れやすいように考えられたり、
緑地へのアクセスも確保されるように設計された。

 
(Fredhäll:住宅地の近くに同時期に公園も作られ、住人が簡単に利用できるように考えられていた)

以上のことを踏まえて
建物の特徴としてはエレベーター設置を避けるために、
最高でも3階建てのアパートが東西の方面に面して、
一定の間隔を確保しながら平行に建てられました。

 
(Telefonplan:エリア内に似たような建物が連立している)


また、経済的という観点からはこの時期に
立てられたアパートはそれ以前と比較すると
部屋の数も延べ面積も減り、さらに短時間に
効率的にアパートを建てることが要求され、
内装から建築自体も規格化されるようになった。

  
(Fredhäll:キッチン+リビングルーム+ベッドルームというそれまでの大家族向けから少人数向けの部屋割りが主流に)


1930年代に建てられたアパートは”funkis”と呼ばれ、
機能的、衛生的、そして経済的いうことが特徴。
その後、特徴のない画一化された建物が
批判の対象にはなったけれど、いまだに
この頃建てられた住宅地は、ちょっと
ノスタルジックな感じもあり、スウェーデン人には
比較的良い地域と認識されているようです。

私も一時期、Fredhällに住んでいた事が
ありました。地下鉄の駅も公園も緑地も
近くにあり、とても住みやすい地域でした。
でも夏になると最上階ということもあって
すごく暑くなったのと、冬は結構、
部屋の中が暗くなった記憶があります。
とはいっても、また住めるなら住みたい
アパートの一つだな。



都市計画というのは、やっぱり社会の流れ
とか、人の考え方に強く影響されていて、
そういう話を交えた方がわかりやすいと
思うので、そういう一般的な話から。

前置きですが、これは私が今まで
読んだ本とか人から聞いた話とか
自分が住んで感じる事を元に書いているから
そーなんだ、くらいに聞いてもらえるといいかな。


もともとスウェーデンは自然環境も厳しく、
農業を中心とした貧しい国でした。
1900年代にヨーロッパで工業化が進む中で、
国力をあげるために人、一人ひとりを重要な資源
ととらえるようになっていき、これがつまり
スウェーデンが高福祉社会になって行った原点。

その後1930年代に社会民主度労働党が政権をとり、
平等を強く訴えたFolkhemmetと呼ばれる政策が
とりいれられ人々の生活様式、デザイン、建築
そして都市計画にまでこの考え方が強く
影響し、今に至っているのだと感じます。

国民一人一人を重要な資源と捉えると言う考え方から
女性もまた重要な働き手であると考えられました。
そのために早い時期から男女平等が
重要視されるようになり、また男女ともに働けるような
環境づくりを考えたところ、託児所、保育園の必要性、
また高齢者向けのサービス、施設の設置も
重要視されるようになっていったようです。
つまり、働き盛りの年齢の人々を家事に従事させ、
その能力を生かせないのはもったいないことであり、
そういったものも国全体でシステム化させ、
専門的な能力を持った人に任せる方が効率的だから。

また似たような理由から、個人一人一人の存在、能力を
重視し、国全体で個人を支えるようなシステムを確立させ、
一人でも生きていけるような社会づくりを目指した。
そのために、離婚しても一人で子どもを育てて行く環境は
整っているし、老後も福祉システムを利用し、施設に入り、
自分一人でもやっていくことができるようになっています。

平等主義の考え方もこの当時、言われるようになりました。
工業化が進み、貧富の差が激しかったために、すべての
国民が同じような生活を手に入れる事が目標とされていました。

こういう事実があったことを頭に入れると
スウェーデン人がなぜ個人主義と言われるのかが
納得いくように思えます。そしてこの政策が、今まで
上手く言っているから、スウェーデン人は自然と
この考え方に沿っているのだろうな、ということも。

1930年代というのは、この政策のもとに、
さまざまな分野で影響があり、都市計画においても
転換期であったと言えます。その詳しい話はまた次に。



毎年恒例のストックホルム市内の事例を
半日かけて見て回る自転車ツアーがありました。
今年も晴れて暑くなり、ガッツリなスタディトリップ。

 

まずはGarnisonenと呼ばれるビルの屋上庭園。
これはうちの会社がやったもの。
ウッドデッキを全面に使い、その一部のような
感じでベンチ、花壇になっています。
植栽計画にも力を入れていて、ワサワサと
この時期は元気に生えていました。
ちょうどお昼時だったので、人がたくさん。
使われている空間はやっぱりいいな。

 

次に向かったのはMonika Zetterlunds parkという
小さなポケットパークのような場所。
Monika Zetterlundというのはスウェーデンで
有名な歌手。ということでこのベンチに
座ると、何とその歌がどこからともなく流れてくる。
初めはいいけど、途中からちょっとうるさいような…。
でも街中にこういうちょっとした空間は必要。



ここはSven-Harrys konstmuseumと言う
Vasaparkenに面したミュージアム。
知らなかったのですが、ミュージアムの
外回り、この階段、スロープの設計は
うちの会社が手がけたそうです。

 

到着したのはまだ工事中の現場。
広場の舗装と歩道はもうできた
ということだったので、見せてもらうことに。
建設現場というのはやっぱ面白い。
そして、この石の並べ方、スウェーデンに
したらすごく丁寧でちょっと驚きました。
やればできるんじゃん、みたいに思ってしまった。
完成が楽しみです。と言っても何年先なのか…。

 

そして最後に到着したのが
Hornsbergエリア。最近開発がガシガシ進んでいます。

  

ここの水辺の空間は、本当に最近できたもの。
この日は晴れていたし、たくさんの人。
太陽が当たって、日光浴のスペースがあり、
湖があって、写真の様なウッドデッキがあって
シャワーまであれば、それは夏、大人気間違いなし。
ただ、細かなデザインで言えば、
最近流行りのコールテン鋼がちょっと
しつこい気がしたし、真ん中にあった
不思議な丸い空間の意味がよくわからなかった。



でも、まぁ、とにかくたくさんの人!

他にも広場や子どもの遊び場もこのエリアには
あるのですが、まだ工事中だったり
ちょっといまいちだったり、でした。

 

最後の解散場所はKristinebergs strandpark。
植栽をメインにした休憩エリアと
子どもの遊び場を分けてデザインされていました。
この植栽、石が置いてあったりして
何か、日本っぽいね~という話に。
花が少なく石があると日本っぽくなるのかな。
そして公園の中にある子ども用プールも
子どもたちで溢れていました。

暑い夏の日は貴重だから、平日の昼間なのに
どこからともなく人が外に溢れだしていました。
それにしても、毎年毎年新しいプロジェクトが
こんなにあるというのはすごいなぁ。





今日はようやく夏らしい、一日中日差しの強い
半そででいられる天気になりました。
そしてこれぞスウェーデンの夏の景色。。。

前回の続きになりますが、
考え方の違いでやっぱり一番、気になるし
理解できないのは仕事に対すること。
この時期、もっぱら話は夏休みについて。
どれだけ長く取れるか、を自慢し合うみたいな。
良い仕事=長く休みを取れる
っていう方程式はやっぱ、受け入れられないなぁ…

前に辞めた同僚が、給料交渉の時に
これ以上給料を上げる事はできないけど
有休を一週間増やす事でどうだろう
という交渉にのって、転職を決意したと
言っていました。私からするとすごい考え方。

だから、残業までして、休みが少なく
働く日本人はなんて不幸なんだろう、
と本気で言われます。仕事のやりがいとか
他人のためにとか説明するんだけど
これまた、理解はしてもらえない。
そういう考え方が根本的にないんだと思う。

休みがあるのはいいことだけど、
こうやってみんなが休みをとることで
起こるマイナスの面を全く考えずに
休みがあること=良い事とするのは
腑に落ちないのです。

例えば、ストックホルム市のホームページに
記載されている、
”この公園は20xx年x月に完成予定”
というのはあまり当てにならず、
平気で1年とか先延ばしにされます。
その分、私たちの税金が使われて
余計な事にお金がかかっているとか
工事で公園がしばらく使えなくなる不便とか
起こっているはずなのだけど
そこに文句を言う人は、どうやらあまり
いないようです。その辺、忍耐強いのか。

何はともあれ、私の会社も来週から
4週間の夏休みに入ります。
どっちがいいか、答えはないのだろうな。

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プロフィール
HN:
あっこ
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/01/11
職業:
ランドスケープアーキテクト
自己紹介:
ストックホルム工科大学(KTH)での2年間の留学を経て、ランドスケープアーキテクトとしてストックホルムにて働いています。
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